欧州投資家の不動産投資は、特定マーケットに絞った投資になる--米不動産サービス大手・ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域の調査責任者に聞く

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米国の不動産サービス大手「ジョーンズ ラング ラサール」のアジア太平洋地域のリサーチ部門責任者、ジェーン・マレー博士がこのほど来日し、欧州債務危機の影響について「アジア太平洋地域の経済成長が西欧諸国の成長をアウトパフォームし、リセッションを避けることはできるのではないか」と述べたうえで、今後欧州投資家の不動産投資はロンドンやフランクフルト、パリなどの特定マーケットに絞った投資になるとの見通しを示した。

マレー氏は、シドニーのニューサウスウェールズ大学(応用計量経済学)で教鞭を執った後、1998年にジョーンズ ラング ラサールに入社。2005年からアジア太平洋地域のリサーチ部門の責任者を務めている。日本の不動産市場については、同社の赤城威志ローカルダイレクターに聞いた。一問一答は以下のとおり。

--欧州債務危機が世界経済に与える影響をどうみるか?

マレー:まだ、すべて不確実な状況が続いていて、(世界経済に)どんなインパクトがあるのか定かには言えない。もう少し不確実性がなくなり、具体的な状況がわかるまでは、投資家は待ちの姿勢をとっているのが現状だ。

ワーストケースシナリオの場合、経済活動の水準に影響を与え、幅広く不動産市場に影響を及ぼす可能性があるが、それはわれわれの考えている中心的なシナリオではない。

確かに、西欧諸国では鈍い経済成長が続くと思うが、アジア太平洋地域が、西欧諸国をアウトパフォームするというのが、われわれのメインシナリオだ。リセッションは避けることができるのではないかと感じている。

欧州の投資家は、ユーロ圏の問題、意思決定問題に関心を持っている。また、どの程度借り入れが利用可能であるかも、投資判断に影響を及ぼしてくると思う。

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