心が強い人が持つ「他人に反応しない」技術 もう、ムダに反応するのはやめなさい

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では「合理的に」(正しく)考えると、どうなるでしょうか?

承認欲の不満がある ⇒ どうすれば認められるのだろうか?(方法を考える)

 

つまり、認められるために自分は何ができるか、何をすべきかという「方法」を考えて、その方法を頑張ろうと考えることになります。あとはどれだけ工夫・努力できるか、これは自分の問題ですね。こう考えたとき、「嫉妬」は「自分のモノゴトに専念するための前向きなエネルギー」に転換するのです。

他にもさまざまな悩みを解決する「合理的考え方」があります。2500年も昔にこうした考え方を伝えてくれていたブッダの知性には、驚くしかありませんね。

悩みを生む「ムダな反応」していませんか

ブッダの考え方の特色は、「肯定」も「否定」もしないこと。「なるべく良し悪しを判断しない」という発想に立ちます。というのも、いいとか悪いとか、勝ち負けや優劣を作り出すのは、人間の「判断」だからです。判断によって優越感をもつこともあれば、コンプレックスに悩むこともあります。「判断こそが悩みを生んでいる」と理解して、「ならば、ムダな判断はしない」という「考え方」に立つのです。

もうひとつの特色は、「何をめざすかは人それぞれ、目的は個人が選んでいい」というオープンな立場に立つことです。「承認欲」だって否定する必要はありません。仕事・勉強で認められることをめざすのもよし。「認められることに大して意味はない」と割り切って、自分の道を進むもよし――この発想の自由さが、目覚めた人ブッダの特色です。

大切なのは、「悩み」が出てきたときなのです。

実際、私たちの日常は「悩み」に満ちています。仕事の成果・評価に舞い上がったり、落ち込んだり。周囲と比べて「負けるものか」と張り合ったり、嫉妬やコンプレックスを感じたり。気を紛らわせたくて開いたSNSの「いいね!」や「フォロワー数」に一喜一憂したり、「既読スルー」に胸をザワつかせたり……。

こうした「悩み」はどれも、「ムダな反応」といってよいでしょう。本当は誰もが「動揺しない、反応しない、タフでクールな自分でいたい」と願っているのです。でも現実には、仕事、他人の評価、ネットやメディアにあふれる情報に「つい反応」して、ストレスや虚しさを感じて疲れている――それが多くの人の「リアル」ではないでしょうか。

こうした悩み・空しさから脱出しようと思えば、「もう、ムダな反応をしない!」と決心するしかありません。どうやって? その方法を一部紹介しましょう。

次ページ具体的に、どうすればいい?
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