「物言う株主」サードポイントがスズキ株保有

VWとの係争決着を意識

 8月3日、「物言う株主」として知られる米投資ファンドのサード・ポイントがスズキの株式を保有していることが、ロイターが入手した7月31日付の投資家向け書簡で判明した。写真はマルチスズキのロゴ、2014年5月撮影(2015年 ロイター/Amit Dave)

[東京 3日 ロイター] - 「物言う株主」として知られる米投資ファンドのサード・ポイントがスズキ<7269.T>の株式を保有していることが3日、ロイターが入手した7月31日付の投資家向け書簡で判明した。投資額や保有比率は明らかにしていないが、5%未満とみられる。

サードポイントは書簡で、インドの自動車市場は高い成長が見込まれるにもかかわらず、同市場で45%のシェアを持つ最大手のインド子会社マルチ・スズキの価値が、スズキの株価に十分反映されていない点などに言及。サードポイントの試算では、スズキが全額出資するインド工場やマルチ・スズキから得るロイヤルティ収入など、スズキのインド事業の資産価値はスズキ本体の時価総額を上回るとも説明した。

また、マルチ・スズキ株の価値は2013年以降、3.5倍となる一方、09年に結んだ独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携の解消をめぐる係争が続くスズキの株主は約5年間、その利益を極めて控えめにしか享受していないと指摘。同社のバランスシートも非効率なままとした。

スズキは自社に19.9%を出資するVWとの資本提携解消を求め、11年11月に国際仲裁裁判所へ仲裁手続きを開始。仲裁判断が近づきつつあり、スズキが優勢なインド事業でも繰り返し業績向上への追い風が吹く中、スズキは「過小評価されている」と指摘した。

スズキの長尾正彦取締役は同日の決算会見で、サードポイントから「直接何か(書簡を)受け取ったわけではない」といい、株主からの提案の有無にかかわらず、基本的には中期計画で掲げた目標達成に向けて経営を進めていくと説明した。

また、配当性向は15年3月期(前期)が15.6%、16年3月期予想は13.8%と同業大手と比べ低い水準だが、長尾氏はVWとの係争が未決着で、新興国依存度が高いなど「特殊な要因を考慮している」として理解を求めつつ、前期同様の15%以上をめざすとし、株主との建設的な対話を通じて「スズキの考えを発信していきたい」と語った。

書簡の内容が明らかになったことを受け、同日のスズキ株は上げ幅を拡大。一時は前営業日比4.7%高の4525.5円をつけた。

サードポイントはダニエル・ローブ氏が率いる投資ファンド。これまでにソニー<6758.T>やファナック<6954.T>などの株式を取得し、株主還元の強化や経営改善などを要求してきた。

*本文中の表記を一部修正しました。

 

(白木真紀)

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