株価混乱でも中国新興企業はヒートアップ 無名のスタートアップにVCの投資が殺到

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中国を中心とするアジアのスタートアップ企業に世界中から資金が集まっている(lakov Kalinlin/PIXTA)

モバイルアプリのスタートアップが、最初の製品を発売してからわずか1年で企業価値が10億ドルに達すれば、シリコンバレーなら羨望と嫉妬を浴びるだろう。

しかし、成層圏に突き抜けんばかりの急成長を遂げた「アパス・グループ」は、シリコンバレーではほとんど知られていない。なにしろ7000キロメートル以上離れた中国を拠点とする企業なのだ。

テクノロジー業界への投資、世界に分散

アジアではIT系スタートアップへの投資が過熱している。勢いも金額もアメリカ並みだ。調査会社CBインサイツによると、今年前半の6カ月で、アパスを含む46社が資金調達で1億ドル以上を集めている。北米の48社にわずかに届かなかった。

アジアの投資家(特に中国とインドの投資家)が活発なことは、テクノロジー業界への投資が世界的に分散していることを物語る。アジアの銀行やプライベート・エクイティ、ベンチャーキャピタル、さらにはハードウエアやインターネットの大手企業が、地元のスタートアップに積極的に投資している。アメリカの投資家も、地元の市場に強いアジアの投資家を支援するようになった。

ただし、中国の株式市場はこの数週間混乱を極めており、ハイペースの投資が続くかどうか疑問を感じる。中国の株価はこの1年で劇的に高騰し、多くの大型資金調達の成功を支えた。しかし、1カ月前の暴落の影響で、中国の大口の投資家やプライベート・エクイティはほかの分野の投資に問題が生じ、スタートアップの大規模な資金調達を敬遠するようになった。

次ページそんな中でも資金調達に成功する会社も・・・・・・
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