どうする?日本企業 三品和広著

どうする?日本企業 三品和広著

六つの章のタイトル「本当に○○ですか?」が刺激的だ。○○に「成長戦略」「イノベーション」「品質」「滲(にじ)み出し」「新興国」「集団経営」が入るのだが、どれも意味深長で食指が動く。期待は裏切られない。成長やイノベーションや品質は戦後日本の絶対的目標である。その呪縛にとらわれた日本企業は「立地」戦略をおろそかにし、目標のわなにはまり込んで止めどもなく弱体化を続けている。

世界を席巻したセイコーのクオーツはマーケティングなきイノベーションによって自滅し、工芸品としてのピアノの世界に工業品を持ち込み王座を得たはずのヤマハは新興国の追い上げに敗れた。具体的分析を読み進むと、重大で意外性十分な経営学の神髄も待ち構えている。アップルのように「飛び地」だろうと、「自社のやりたい仕事を精密に定める」ことが経営戦略の第一歩だとする指摘は鋭い。 産業、企業、どうもおかしいと感じている人には格好の書。(純)

東洋経済新報社 1680円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。