「村へ戻る希望」を優先し、汚染土の村内仮置き決断--福島県飯舘村村長 菅野典雄

「村へ戻る希望」を優先し、汚染土の村内仮置き決断--福島県飯舘村村長 菅野典雄

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故のあおりで全住民が苦渋の村外避難を迫られた。今、同村による村内処理を柱とする除染という独自計画が放射性物質処理問題に一石を投じている。菅野典雄村長に真意を聞いた。

──計画的避難の政府決定から4カ月ほど経過しました。最近の状況はどうですか。

7月末に仮設住宅が完成し、お盆前に仮設住宅への第2次避難が完了した。とりあえずほっとしたが、その後、次の手を打つ必要性が生じている。村の世帯数が避難前の1700から2700に増えたのは、避難を通じて、別れ別れに住まざるをえない家庭が多かったからだ。

さまざまな事情から一人暮らしを強いられるようになった人もいる。たとえば、1世帯の中で、まず若夫婦と子どもが村外に避難し、その後、親夫婦が仕事の関係上で別の場所に移り、おばあさんが仮設住宅に一人暮らしとなったケースがある。

そうした中で、いかにして新しいコミュニティを作るのか。これは大きな課題だ。住民が各地に避難しているので、従来の行政区ごとに住民の事情を把握することは困難になった。今、仮設住宅、雇用促進住宅など多数の住民が避難している先ごとに、自治区を作って会長などを選任し、新しいコミュニティを作ってもらうことを考えている。その運営費用は予算化した。

──住民の健康管理も心配です。

ほかの自治体から、「避難後、住民の気力がどんどん薄れてしまった」という実情を聞くことがある。飯舘村は避難が後発だったので、そういう状況が深刻化しているわけではないが、一部の住民の間では気力がなえてきたように思わざるをえない。

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