【産業天気図・ソフト/サービス】金融、公共でにぎわう。勝ち組入りのカギは「人手」

幅広い業界に広がる好況感にも増して、情報サービス業界はひときわ力強くにぎわっている。自動車を中心とする製造業がIT投資を本格回復させているうえ、メガバンクや政府系金融機関の統合や郵政民営化に伴う巨大システム需要が見込まれるからだ。経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、情報サービス業の業界売上高は今年4月、5876億円と前年同月を6.4%上回り、4カ月連続のプラスとなった。4~6月の売り上げが前年同期を上回ると見通した企業は34.8%。前年同期比17.5ポイント伸びており、この基調が上期いっぱい続くのは確実だ。
 企業別では、富士通<6702.東証>が不採算案件を大幅圧縮し、次の飛躍へのステップを上り始めた。NTTデータ<9613.東証>は強みの公共向けや製造関連が絶好調で、念願の年商1兆円達成をうかがう勢い。野村総合研究所<4307.東証>も業界でいち早く乗り出した中国オフショア開発を活用し、受注の伸びに対応する。
 業界では売り上げが年度末に偏る傾向のため、下期の見通しも引き続き明るい。また伊藤忠テクノサイエンス<4739.東証>が10月、同じ伊藤忠系のCRCソリューションズ<9660.東証>と合併して業界屈指の大手となり、大型化競争の先駆けとなる可能性もある。ただ、建設業界にも似たピラミッド型の受注構造が変わらない中、底辺を支える零細企業がますます弱体化する恐れも。
 成長への課題は人材。受注の大幅拡大を狙う企業からは「人手が足りない。採用が追いつかない」との声が漏れ、経験豊富なSEにもなると奪い合いの様相だ。同業との業務提携や企業買収などの策を講じない企業の中には、成長の踊り場を迎えるところも出て来そうだ。
【杉本りうこ記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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