どこよりも早く「ポスト野田」を占う

どこよりも早く「ポスト野田」を占う

塩田潮

 新首相誕生直後で、気が早すぎるが、ポスト野田について考えてみた。

 まず野田政権の寿命だが、震災復興、原発事故、経済低迷の「三重苦」を背負い、衆参ねじれ、民主党の党内対立、財源の「3つの壁」も立ちはだかる。だが、低い重心、深謀遠慮と用意周到さが武器の野田首相は、苦難と壁にもかかわらず、予想外に長持ちしそうとの見方もある。一方、苦難と壁の乗り越えは容易ではなく、年末まで持つかどうかと懸念する声も強い。

 とはいえ、民主党内には厭戦気分が強い。バトルは来年9月の代表選以降という空気だ。となると、ポスト野田の候補も「1年後」に照準を合わせることになる。いま名前が上がるのは、閣外の小沢、岡田、前原の3元代表、閣内の枝野経産相で、それに海江田前経産相、鹿野農水相、仙谷元官房長官、樽床幹事長代行、原口元総務相らが絡みそうだ。

 小沢氏は「来春の無罪獲得・国民への説明責任・パワー維持・健康・国民の期待感の継続」の4つのハードルが横たわる。「1年後に勝負」という気なら、ハードル越えと併せて、いまから「小沢政権構想」の決定版を世に問う準備を始めるべきだろう。

 「去年9月に幹事長にならずに外相を続けていたら、もしかすると今頃は岡田首相」という無念も残る岡田氏は、過去1年間の辛苦を反省材料とバネに、「狭量な原理主義者」のイメージとは別の「ニュー岡田」に変身を遂げれば、本命に躍り出る可能性もある。

 前原氏も、得意分野の外交・安全保障で出番を回ってくる展開となれば、チャンスがある。ぶれずに自分流に磨きをかけながら、出番をじっくり待つという綽然たる態度が求められる。実務能力が高い枝野氏はリーダーとして「実務家以上」への脱皮が課題だ。

 どうやら候補たちは助走とハードル越えに時間がかかりそうだが、その分、泥鰌首相の持ち時間は長くなる。「ハネムーン」が終わった後、今年12月から来年4月にかけて、政権は浮上するか失速するか。

 野田首相の寿命と後継候補の浮沈はそれ次第だろう。
(写真:梅谷秀司)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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