ギリシャの有望ベンチャーが死滅しつつある 経済危機により「国外脱出」が活発化

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少なくとも、一部の企業はギリシャ市場を完全に見捨てることも考えている。資本規制による支払いの遅延を懸念した大手航空会社は、ギリシャの旅行会社を通じたチケット販売の一時停止を決めたため、ギリシャのオンライン旅行会社Travelplanet24.comは大打撃を受けた。

300人を雇用する同社のフィリップ・ブリンクマンCEO (34歳) は、他のギリシャ企業と違って国外の銀行口座を利用しているため、顧客の支払い処理には何の問題もないとしているが、チケット販売の損失は大きく、今後もギリシャでビジネスを続けることで直面する障壁には付き合いきれないと話す。同社では、約15%がギリシャの顧客である。

まだ様子見の段階だという企業もある。28歳のフェイ・グリッツィ氏は、ロンドンで働いていたITコンサルティング企業の支社を開設するために、昨年秋にギリシャへ戻ってきた。「私たちの世代にチャンスを与えたいのです。まともな仕事、まともな給料を提供したいのです」。グリッツィ氏は6人の従業員を雇用し、ザ・キューブにオフィスを構え、今年の秋に正式に支社を発足させる計画だ。しかしそれも、ギリシャが経済崩壊を回避するかどうかに全てがかかっている。

支払いをできないスタートアップを支援

短期的な問題解決を図るために、ギリシャの起業家仲間たちが支援の手を差し伸べている。BugSenseの共同創立者ジョン・ヴラチョイアニス氏とパノス・パパドポウロス氏は、ゼロファンドというボランティア・グループを主導し、オンライン・サービスへの支払いができないギリシャのスタートアップのために資金集めを行っている。そのウェブサイトには、次のように記されている。「普通の人々が他の人やアイディアを支援することで、私たちは資金集めのやり方に変革を起こしました。今度は、ギリシャ企業がこの危機を乗り越える事ができるよう支援すべき時です」

少なくとも、ギリシャの若い起業家たちは危機回避能力に磨きをかけている。「全てが麻痺してしまった国で鍛えられた彼らは、他の環境では身につけることのできない能力、スタミナ、回復力を体得しました」ディスカバリールームのアナグノストウ氏は言う。「その結果、彼らのスタートアップは誰よりも高く飛翔することができるでしょう」。

実際、先の見えない危機が続く中、国外脱出の準備をする人々がいる一方、できるだけ国内へ留まろうと決意する人々もいる。グリッツィ氏は言う。「私の会社がここで成長するのを見たいのです。ここに留まり、ギリシャを変える助けになりたいと思っています」。

(マルチメディアジャーナリスト:タニア・カラス)

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