イオンvs.セブンのウナギ商戦はここまで熱い デパ地下や駅ビルも意外な伏兵に

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一方のミニストップは中国産のウナギを使用した「うなぎギ蒲焼重」が980円と1000円を切ったほか、国産のウナギを使用した「九州産うなぎ蒲焼重」も1680円と、セブンイレブンに比べて割安。ほかにも「うなぎ太巻き寿司」680円や「うなぎ太巻きとにぎり寿司詰合せ」695円などを取り揃えています。この「土用の丑の日」メニューは、セブンイレブンが20日まで、ミニストップは22日まで予約を受け付けています。

デパ地下・駅ビルの鮮魚売り場もチェック!

ここまでスーパーやコンビニのウナギ商戦を見てきましたが、個人的におすすめなのは、デパートの地下や駅ビルなどにある食料品売り場です。ウナギはもともと高級食材のひとつで、スーパーでも1500~2000円の価格帯が中心。土用の丑の日はクリスマスや年末年始と同じように、立派な「ハレの日」ですから、多少高くてもこだわりの食材が集まるデパ地下でウナギを選びたいという人も多くなります。

デパートではこの時期になると、テナントとして入っている店舗はもとより、土用の丑の日にあわせて催事スペースで名店のウナギを扱うケースが増えます。たとえば東京駅に直結する大丸では、今月1日より産地にこだわった約30種のウナギの弁当を専用コーナーで展開しています。

さまざまな名店のこだわりメニューの中から、自分の目で「これは!」という一品を探すのは、自社商品が中心のスーパーでは味わえない楽しみがあります。

デパ地下でのウナギ探しでぜひ見てもらいたいのが、鮮魚売り場です。デパートや駅ビルの場合、生鮮品はコンセッショナリー・チェーンとよばれる大型店舗の中で売り場を借りて出店している専門店であることが多いです。

鮮魚売り場で言うと、髙島屋や三越、伊勢丹などに出店する中島水産、ルミネやアトレなどの駅ビルに強い大川水産、渋谷東急や東武池袋などに店舗を持つ魚力、上野松坂屋や新宿小田急をはじめ全国に店舗展開する魚の北辰などがその一例。魚の専門店ですから鮮度は折り紙つきですし、品数も豊富で、魚屋さん特有の威勢のいい声で接客されると、こちらのテンションも上がります。

近年は稚魚の漁獲量が減少し、価格の高騰が続くウナギですが、古来より続く日本の夏の風物詩として、ぜひ、いただきたいもの。ウナギは豊富なタンパク質やビタミンAをはじめ、ビタミンB1、B2、D、E、さらにはカルシウム、鉄分と体に必要な栄養素が多く含まれる夏バテ防止には最適な食品です。せっかくの機会、仕事帰りにちょっとデパ地下で物色し、お家へのお土産にしてみてもいいかもしれません。

石山 真紀 フリーライター・売り場研究家

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いしやま まき / Ishiyama Maki

法政大学卒業後、食品企業で販売の現場に携わる。その後、流通コンサルタント企業へ転身。結婚による退職後、物流業界新聞社、流通業界雑誌社を経て、2008年よりフリー。現在は流通専門誌や弦楽器専門誌などでも取材・執筆・編集に携わるほか、売り場づくりやマーチャンダイジングの研究も行っている。
 

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