任天堂が3DS向けタイトルを大量投入へ、年末商戦に向け背水の陣

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 今年2月末に発売された3DSは、大ヒットした「ニンテンドーDS」の後継機であることから国内外で注目度が高かったものの、出足は苦戦していた。3月11日の東日本大震災の影響で国内では一時宣伝を自粛したほか、大型タイトルの不足、裸眼立体視(3D表示)や「すれちがい通信」など3DSならではの機能で訴求できていなかった点も不振の原因だと指摘されている。

任天堂の今2011年4~6月期業績は、377億円の営業赤字(前年同期は233億円の営業利益)と大きく落ち込んだ。8月には3DSの販売価格を2万5000円から1万5000円にへと、任天堂のハードの歴史上、最も早いタイミングかつ大きな下げ幅の値下げを余儀なくされた。値下げに伴うコスト増などが影響し、今12年3月期の通期計画も売上高9000億円(前期比11.3%減)、営業利益350億円(同79.5%減)と下方修正している。

エンターブレインの浜村社長は、「ハードが売れるには“値段”と“キラータイトル”の2つが大きなファクターになる。任天堂の強い信念がうかがえる」と期待を見せる。8月の値下げに加え、今回のカンファレンスでキラータイトルが相当数発表されたことから、下方修正された通期計画は射程圏と見てよさそうだ。
(前野 裕香 =東洋経済オンライン)

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