【産業天気図・証券業(既存大手中心)】商い高水準で好天続くが、相場急落には要注意

証券業界の06年度の空模様は、上期予想は従来通り「晴れ」を維持する。下期も「晴れ」予想を続けるが、雲の多い「薄曇り」に近い晴天となるかもしれない。
 足元の株式相場急落の影響で、証券各社の株価チャートも陰線が続いている。証券の株価は日経平均株価やTOPIXとの連動性が高いため、やむをえないが、各社の収益動向は指数よりも売買代金との相関が大きい。その意味では、東証1部の5月までの1日平均売買代金は2兆円台を何とかキープしており、6月の調整が9月まで長引かなければ、上期の収益は底堅いだろう。問題は下期で、このまま相場の停滞が続けば、半期ベースで比較した売買代金が大きく減少する懸念があるほか、好調を続けている投資信託や外債販売にもブレーキがかかるかもしれない。まずは第1四半期(4~6月)の決算に注目だ。
 各社の収益を探るうえでのキーワードは、(1)銀行との連携、(2)ネット取引の充実、の2点。(1)では、大和証券グループ本社<8601.東証>が三井住友フィナンシャルグループ<8316.東証>との連携を法人分野(大和証券SMBC)からリテールにも広げ、投信ラップ口座の販売など広範な提携を行う。日興コーディアルグループ<8603.東証>は東京スター銀行<8384.東証>の株式取得を検討中であり、実現すれば証券グループによる銀行への本格進出の先駆けとなる。(2)では、野村ホールディングス<8604.東証>傘下のジョインベスト証券が業界最低水準の手数料体系で取引を開始、岡三ホールディングス<8609.東証>も専業の岡三オンライン証券が今秋にスタートする。
 いずれも個社ベースでは収益の多角化・安定化を狙った動きであり、評価できるが、株式相場が冷え込んだ場合は逆にリスク増大要因となる。特にネット証券業界(別項で詳述)は、個人投資家が含み損を抱えたまま現物・信用取引の建玉を解消しにくい状況が続いており、手数料競争激化の悪影響にも注意が必要だ。
【山川清弘記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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