「幼なじみ婚」に現代人が惹かれるのはナゼ? 増加傾向の背景にあるのは、SNSだけじゃない

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人とのつながりに関連することとして、「職場での人間関係」について少しお話しましょう。厚生労働省が行っている職場のストレスに関する調査結果では、「何にもっともストレスを感じるか」という質問に対し、第1位に挙がってくるのは、つねに「人間関係」なのです。給与や勤務形態、業務内容よりも、「人間関係」が上回り、どの年代の人にとってもそれは大きな悩みの種なとなっています。

職場の人間関係によって引き起こされるストレスは、実は相互理解の欠如やコミュニケーションの不足にあることがほとんど。

「相手の考えていることが理解できない」「仕事上の人とは仕事以外では深く関わりたくない」といった気持ちで毎日過ごしている人は少なくありません。ごく浅い人とのつながりの中で生きている人が多いのです。

自分の「感情」をとらえる難しさ

ところが、人と深く関わることを煩わしいと感じて、消極的な態度や姿勢で仕事をし続けていると、コミュニケーションの不足を引き起こすことになりがちです。相互理解はままならず、不信感や不安感を産み、その結果、人間関係のストレスで苦しむという悪循環を作ってしまうのです。

さらに、自分の感情を押し殺して仕事をし続けていると、次第に自分の気持ちにも鈍感になっていきます。このことについては以前の記事でも触れましたが、しまいには相手の気持ちどころか、自分自身の気持ちさえも分からなくなってくるのです。

実際に相談に来る方々の中には「自分のことがよくわからない」「自分はどうしたいのか分からない」というようなことを口にする方が少なくありません。感情を解放する機会が本当に少ないから起こる現象です。

確かに、自分の気持ちをきちんとらえるのは、なかなか難しいもの。社会生活では自分の立場や相手の立場を考えることを強いられ、自分の率直な気持ちを表現するのは容易ではありません。腹が立っても、理不尽さを感じても、ニコニコしなければならないこともあるでしょう。

このように、自分はどう「感じる」かよりも「考える」を優先しなければならないことが多いものです。さらに、「感じる」と「考える」のギャップが大きくなり過ぎると不適応が起こり、心身の不調を引き起こします。カウンセリングに訪れる方々の多くがこの不適応の状態。頭でわかっているけど、どうにもならない気持ちを抱えているのです。

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