こんなにセクシー!「キラキラ甲虫」の秘密 昆虫研究者が惚れた、美しすぎる虫たち

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第3位:キラキラアラメムカシタマムシ

正真正銘のキラキラネーム甲虫。渋くて重厚な色合い。

 

第2位:イボカブリモドキ

背に施された突起物がグロ・クール(グロくてクール)で素敵。

キラキラアラメムカシタマムシ(左)とイボカブリモドキ(右)

 

第1位:ヤマトタマムシ

やっぱり日本人にとってヤマトタマムシは永遠のあこがれ。

 

ヤマトタマムシ

 

みなさんも、ぜひ本書の甲虫たちを堪能し、マイベスト甲虫を選定してみてほしい。

まだ見ぬ甲虫たちが、地上にまだまだ潜んでる!

ところで著者によると、甲虫の新種は毎年何千も記載されるらしい。それだけ、まだ多数の虫たちが人知れず地上のどこかに潜んでいるわけだ。

 生物分類学は未知だった生物を全人類に紹介し、さらに科学の俎上に乗せるという、大事な役割をもつ。

この学問を蔑ろにすると、そこから先の基礎研究と応用研究は立ち行かなくなる。わが国の現政府は実利的研究以外の分野に冷や水を浴びせようとしているが、著者のような研究者が今後育たなくなれば、わが国の科学研究は土台がもろく先細ったものになってしまうだろう。人類が集合知を作り上げていく上で、今後も著者のような存在は欠かせないのである。

さて、著者によるツノゼミの図鑑もおすすめだ。生存に必要なさそうな、極端な形。こんなありえない形態がなぜ進化したのかを想像するのも楽しい。

堀川 大樹 HONZ

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1978年東京都生まれ。2001年からクマムシの研究を続けている。北海道大学で博士号を取得後、NASA宇宙生物学研究所やパリ第5大学を経て、現在慶応義塾大学SFC研究所上席所員。クマムシ研究の傍ら、本を書いたりクマムシキャラクター「クマムシさん」のプロデュースをしている。ブログ「むしブロ」、有料メールマガジン「むしマガ」を運営。

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