【産業天気図・百貨店】今後の天候が気掛かりだが、連続成長は十分可能

百貨店業界は好調が続いている。日本百貨店協会によれば、2005年度(05年4月~06年3月)の全国百貨店売上高は、7兆8509億円と前年度比0.7%増で、何と9年ぶりのプラスとなった。全国スーパー売上高が9年連続マイナスとなったのとは対照的だ。猛暑や厳冬、クールビズ需要拡大によって、採算の高い衣料品が伸びたのが大きかった。今06年度に入り、4月は長雨の影響で前年同月比0.6%減となったが、紳士服や婦人服など衣料品回復の基調は変わらないだろう。6月からの夏商戦がカギだが、衣料品に加え、靴やバッグなどの雑貨も売れ行きが良い。冷夏や暖冬などの逆風が吹かなければ、今期いっぱいはこのトレンドは続き、連続プラス成長も可能と思われる。
 マーケットが国内偏重の百貨店にとって、為替や原油高より脅威なのは、08年以降にも実施されそうな消費税の税率アップだろう。確かに目先は好調だが、中長期的には人口減少などがジワジワと消費環境を蝕んでくる。一方で、2011年には大阪などで新店や増床が相次ぎ、オーバーストア状態は加速するばかり。決して楽観はできない。
 個別企業を見ると、今期は伊勢丹<8238.東証>や大丸<8234.東証>が最高益更新組。伊勢丹は新宿本店メンズ館を中心に紳士服が快走。効率経営で先行した大丸は神戸店や札幌店が好調だ。業界トップの高島屋<8233.東証>は、衣料品のほかにも宝飾品などで高額品が売れ続けており、連続増益を見込む。一方、松坂屋<8235.東証>は前期の愛知万博の反動で利益は高原状態か。三越<2779.東証>は前期の4店閉鎖や1000人の希望退職実施で、ようやく収益が底打ちしてきた。阪急百貨店<8242.東証>は本業好調ながら、梅田本店の大幅改装であえて減益を覚悟している。
【大野和幸記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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