カダフィ独裁に終止符、民主化へ動き出すリビア

拡大
縮小


新政府はジャマーヒリーヤを放棄。国民投票による政治プロセスを経て、憲法制定、議会・大統領制や三権分立の導入をするなど、ゼロから民主化をスタートする。その際、英国は過去に湾岸諸国で行ったのと同様、制度作りのアドバイザーなどの人材を派遣することになりそうだ。

またリビアは日産165万バレル(2010年BP統計)の中堅産油国で、軽質成分の多い良質の原油を産出する。フランスやイタリアが主に購入しており、両国とも石油権益への関心が高い。「リビアのインフラは産油国の割に見劣りがする」(塩尻氏)。石油産業の再建やインフラ整備が進めば、UAEのような巨大市場にもなりうる。

ただし、独裁政権が終わっても、旧新勢力や地域、部族間対立の克服など乗り越えなければならない課題は多い。旧勢力側の欧州勢への反発も予想され、民主化は一筋縄には行かないだろう。

(本誌:内田通夫 =週刊東洋経済2011年9月3日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT