斬新!遺伝子情報に基づいた「究極の美容液」 DNA分析で自分だけのスキンケアを調合

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遺伝的な特徴に合わせた製品を提供しているのは、ジーンユーだけでない。アメリカのテキサス州オースチンにあるスキンシフト(SkinShift)も、99ドルのDNA分析を外注し、顧客の肌にとって何が最優先なのかを判断する。そして、その結果に基づいて、同社の4種類の美容液と5種類のサプリメントの中から、適切な組み合わせを提案する。どの商品も75ドルを超えるものはない。スキンシフトの創業者のルジー・ハーパーは内科医で、皮膚科医でない点はトゥーマズーと同じだ。

ホールミグはスキンシフトについても懐疑的だ。彼はジーンユーのほうをより高く評価してはいるが、両社で大きく違うのはコストだけだろうと言う。ジーンユーの技術の方が光っており、カスタマイズの選択肢も多いが、そもそも肌の老化の研究で(抗酸化物質など)多くの含有物を用いたものは、試験する製品の使い方や分量などがうまくコントロールされておらず、試験の規模や無作為抽出の方法もあまり良くないものが多いという。したがって、ホールミグによると、本当にその試験が有効かどうかわからない。

飛行機で隣席にいたのがローズだった

ジーンユーのクリエイティブ・ディレクターのニック(左)と創業者のトゥーマズー(右)(写真:Lauren Fleishman/The New York Times)

ジーンユー誕生のきっかけは偶然の出会いだった。3年ほど前に、トゥーマズーがベニスで開かれたアラブの友人の誕生日パーティに招かれてプライベートジェットに乗った時のこと、隣に座っていたのがニック・ローズだった(トゥーマズーはローズが誰なのか、妻がそっと教えるまでわからなかった)。ローズはトゥーマズーに、その技術をただライセンス供与するのでなく、自分で会社を始めるべきだと勧めた。

ローズは言う。「私はドラッグストアで売っている安いスキンケア製品から、最も値段の高い最高級の美容液まで、あらゆるものを試してみた。ジーンユーの製品は私にとってはとても魅力的だった。当てずっぽうを一切せずに選べるのだから」。(同社の製品には男性からも関心が集まっている。技術的な面が男性にとって魅力となるのだろうとローズは言う)。

ローズは店舗をデザインした。店の壁に飾られているモンドリアン(オランダの画家)風の写真も彼のデザインだ(トゥーマズーのマイクロチップの画像を拡大して作成した)。また、デザイナーのアントニー・プライスに依頼して、ジーンユーのスタッフのユニフォームも作った。プライスは、デュラン・デュランが「リオ」のミュージックビデオで着用した蛍光色のスーツをデザインした人物だ。ジーンユーのユニフォームは、銀色のシルクのパンツと、お揃いのスタンドカラーのトップスとなった。

ローズはさらに、トゥーマズーが最初に付けた社名「ジェノニクス」にもダメ出しをした。「(曲の)さびっぽくない」からだそうだ。いつでもソングライターなのだ。

(執筆:Courtney Rubin記者、翻訳:東方雅美)

© 2015 New York Times News Service
 

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