【ムーディーズが日本国債格下げ・格付け担当者に聞く】政権が安定しないと、経済成長や財政再建の実現は困難だ

米格付け会社大手のムーディーズは8月24日、日本国債の格付けをAa2からAa3に引き下げ、見通しを「安定的」とした。同社は5月31日に日本国債の格付けのネガティブ方向での見直しを発表していた。

以下は、シニア・ヴァイス・プレジデントで日本国債の格付け担当者であるトーマス・バーン氏による格下げ発表後の記者会見の主な内容と、その後、東洋経済が個別にインタビューした内容である。

■会見要旨

今回の格下げは、日本の多額の財政赤字と、2009年の世界的な景気後退以降の政府債務の増加、ならびに、今の政策の枠組みで今後10年は政府債務の抑制・削減はできないことが予想されることによる。

日本の政府債務は主要先進国の中で突出した水準となっている。2011年の政府債務残高の対GDP比は、IMFの予想で233%、内閣府の予想で181%である。

また、日本の財政赤字のGDP比は2015年度まで7%程度で、これは内閣府が想定している名目GDP成長率1~2%を大幅に上回るため、債務のGDP比上昇は不可避である。

6月に発表された「社会保障と税の一体改革成案」が実施されて、2015年度までにプライマリーバランスの赤字がGDP比で3%まで半減する可能性があるとしても、財政赤字の解消はない。2020年度までのプライマリーバランス黒字化には未だ特定されない追加財政措置が必要である。

債務残高の対GDP比上昇の抑制を困難にしているいくつかの要因があることが、今回の格付けアクションの根拠となった。

その要因とは、

(1)過去5年にわたり首相が頻繁に交代したことが、長期的経済・財政戦略を効果的で一貫した政策として実行に移す上での妨げとなっていること。

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