夢追い型の鳩山氏、攻撃・突破型の菅氏の失敗に学ぶこと

夢追い型の鳩山氏、攻撃・突破型の菅氏の失敗に学ぶこと

塩田潮

  いくらなんでも最後のどんでん返しやこれ以上の迷走・醜態はないだろう。

 菅首相が「30日に総辞職」と23日に明言し、29日に民主党代表選、30日に新首相選出と決まった。

 「次」に野田財務相、海江田経産相、鹿野農水相、前原前外相、馬渕元国交相、小沢元環境相、樽床元国対委員長の7人が手を挙げた。

 民主党は党の体質が「学芸会」「生徒会」とからかわれてきたが、中粒・軽量級・経験不足揃いのレースで、もう一つ「運動会」という冷笑も加わった。菅退陣確定から3日で代表選というのは急ぎすぎで、少し時間をかけて、政策や路線だけでなく、人格、資質、力量、手腕などを国民の環視の下で審査し、ふるいにかけるべきだという意見は強い。

 アメリカの大統領選びと違って、予想がつかない首相退陣と同時に新首相選出となる日本では、事前の予備レースは設定しにくいが、今回、小沢元代表、岡田幹事長、仙谷代表代行、枝野官房長官、長妻元厚労相などの名前がないのを見ると、2009年の民主党政権誕生以来、ここまでの2年間が予備レースで、ふるいにかけられて脱落したと見ることもできる。「運動会」はその結果といえるだろう。

 問題は次期首相の条件である。

 政策や路線では、大連立、増税、エネルギー政策、成長戦略、小沢(元代表)問題などが判定基準になるが、それ以上に資質や能力が問われる。

 結論からいうと、鳩山、菅の両首相の「失敗」がチェックポイントとなる。脇が甘くてボロが出る人、「軽い言葉」で甘い見通しを口にする人、政府と与党を自ら動かせない人、無責任に政権を投げ出す人(以上、鳩山型)、政権交代の歴史的意味を軽視する人、国や国民や与党の将来より自身の政権維持を優先させる人、挙党態勢を嫌うチームワーク無視の人、信頼されない人(以上、菅型)は不可だ。

 今度の代表選は、民主党が2年前に政権交代した国民の期待に向こう2年間で応えられるかどうかを測る最後の機会である。夢追い型の鳩山首相と攻撃・突破型の菅首相で失敗した後、必要なのは「重厚・安定・調和・実現力の統合型首相」だろう。
 それは誰か。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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