東証

澤上篤人(さわかみ投信取締役会長) × うちだまさみ(フリーアナウンサー)
「生活者目線で企業を応援していく」

東京証券取引所

「一人ひとりがニッポン経済」をテーマに、2012年4月からスタートした東京証券取引所のプロジェクト「+YOU」。日本全国各地で開催している「+YOUニッポン応援全国キャラバン」や、特定のテーマや指標で銘柄を取り上げ、個人投資家の銘柄選びに役立てる「テーマ銘柄」など、投資の意義やその魅力に触れていただくさまざまな取り組みを行っており、全容は「+YOUサイト」(http://plusyou.tse.or.jp/)で紹介されています。そのプロジェクトの応援団に私、うちだまさみが連続インタビュー。プロジェクトに懸ける思い、投資の大切さなどについて話を伺いました。第四回目は、さわかみ投信取締役会長の澤上篤人さんです。

うちだ 今でこそ直販系投資信託会社の先駆けとして知られている澤上さんですが、何事も「最初」はあるわけですよね。澤上さんの最初の投資体験について教えていただけますか。

澤上 最初は、スイスのキャピタル・インターナショナルという運用会社に入った時だね。

うちだ それ以前は、投資に興味はなかったのですか。

澤上 まったく、投資への興味は無かった。最初の就職先は松下電器だし、家が製材工場を経営したり材木商だったので、事業家の血筋なんだよ。

うちだ それがスイスのキャピタル・インターナショナルに入社したのはなぜですか。

さわかみ投信 取締役会長 澤上 篤人

澤上 そもそもが、お金を稼ぐ必要があったからヨーロッパへ渡ったわけ。当時、日本企業と欧米企業とでは、給料で10倍くらいの差があったんだ。先ずは、スイスのジュネーブにある国際問題研究所のドクターコースに学生登録した上で、地元の新聞に「日本人でアルバイト先を求めている」という広告を出したの。その時、最初に声を掛けてくれたのが、キャピタル・インターナショナルだったんだ。

うちだ では、投資の世界に入ったのは単なる偶然?

澤上 そう。アルバイトではじめたのが本業になってしまった。でも、1日2時間、週5日の出勤にも関わらず、その前に勤めていた松下電器よりも高い給料をもらうことができたから、もうごきげんだったよ。

うちだ でも、今に至るまで投資の世界にいるということは、何かをきっかけにして投資への興味が湧いたのですよね。

澤上 当時の、キャピタル・インターナショナルには、物凄い男たちが一杯いたんだよ。仕事は1日に12時間、13時間バリバリ働き、趣味は趣味で世界最高レベルの評価を我がものにしているというようなね。とにかく、仕事にしても趣味にしても、世界の第一級を極めているような連中なんだ。そこに近づきたくて、とにもかくにも働いた。土日なしで、1日15時間以上働いたよ。そうこうするうちに、雇ってもらって3か月後には正社員のオファーを受け、どんどん昇進を重ねて気がついたらアナリストの座に就くことが出来た。

うちだ 澤上さんといえば長期投資なのですが、その考え方はキャピタル時代に培われたものなのですか。

澤上 そうだね。今のように年金のような巨大機関投資家が幅を利かせていない時代だったから、単年度決算に合わせて成績が問われる資金運用に追いまくられることはなかった。牧歌的な時代だったとも言えるけれども、1年毎の運用成績を気にすることなく、長期投資でポジションを取ることができた。そういった長期運用にずっと携ってきたからね。それと、実験的に短期売買やカラ売りを組み合わせた投資戦略を実行して、長期投資のポートフォリオと運用成績を比較したことがあるんだけど、6年ほど運用して蓋を開けてみたら、両方とも同じようなリターンだったんだ。それをみて、短期売買がアホらしくなった。長期投資の方が運用する側としても楽だし、何よりも相場に振りまわされなくていいやと思い、本格的に長期投資へと舵を切ったんだよ。

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