1ドル=70円台が詰め寄る日本企業への「覚悟」

拡大
縮小


 とはいえ、すべての会社がコマツのようにグローバルに立ち回れる、優良企業ばかりでない。人口減やデフレで内需が縮む一方の今、海外生産拡大は国内の空洞化と表裏一体だ。だが、今後も日本で企業生産拠点を維持するには、あまりにも置かれた条件が悪すぎるとは言えまいか。

「韓国現代自動車とドルベースで比べて、ウチの労務費は倍。コスト競争力では勝てない」(伊地知専務)と今やあのトヨタですら、弱音を吐くようになってしまった。

円高に加えて、高い法人税や労務費、貿易や環境規制、さらには電力不足と、取り巻く“六重苦”。一民間会社では解決できない難題に、日本企業の苦悩は続く。

(本誌:円高取材班 =週刊東洋経済2011年8月27日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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