米中戦争は、ますます現実味を帯びてきた

「ゴースト・フリート」に描かれていること

米国防総省の最新の中国軍部の報告によると、北京の目標は「領土を保全すること、大国としての中国の地位を確保すること、そして最終的には、地域の卓越性を確立すること」だ。

これらの目標は、超大国間の戦争が発生する可能性を理解するための鍵といえる。中国は、西太平洋における利害を守るために急速な拡大政策をとっている。西太平洋は現在、米国が支配している。

どこで戦争が始まるのかといえば中国本土沖だろう。そのきっかけは些細なことかもしれない。

些細なことをきっかけに悲劇は始まる

ワシントンと北京の緊張は、中国が国境を越えた主張をするにつれてエスカレートしている。北京は現在、台湾と西太平洋に散在するいくつかの島を自国の領土として、また、より多くの船、飛行機、さらにはその主張を正当化するために人工島を作りその守備を主張している。

ワシントンは、日本、台湾、フィリピンと安全保障上の条約を結んでおり、米海軍はこれらの領域において、中国国境のすぐ側までをパトロールしている。

中国がもし台湾に侵入、もしくは日本海側の島を攻撃すれば、不当な扱いを受けた国は、中国と戦争を行うしかない。このような紛争は、ワシントンとの条約の価値を試し、より大きな戦争へと発展していく可能性がある。

発端は、明示的な攻撃ではないかもしれない。緊張感が増すにつれ、両者ともに、お互いが犯す小さな違反を攻撃的な行動として捉える可能性がある。北京とワシントンは、共に最初のパンチはしないと主張するだろうが、私たちはまもなくその日を見るかもしれない。

戦争のきっかけは、米国のジェット機が中国領空で撃墜される、あるいは、北京の無線操縦飛行機が日本の領空でクラッシュするくらいのことかもしれない。

「ゴースト・フリート」における中国の指導者は攻撃的かつ傲慢だ。名声と力のための戦争が始まる。しかし、多くの場合、戦争は愚かな理由で始まり、人々は、そのあとになってから、存在しない大きな構想の一部として行動を正当化する。

1969年、ワールドカップ予選の試合はエルサルバドルとホンジュラス間に4日間の戦争を引き起こした。サッカーの試合が、すでに存在していた緊張に火をつけたのだ。1914年、セルビアの無政府主義者がオーストリアの大公を暗殺したことが、約4000万人が死ぬ大きな戦争を引き起こした。

戦争は、小さなイベントが緊張に火を付けた時に始まる。米国と中国の緊張は、おそらく今後、10年でますます高まっていく。そこに火が付く危険性も高まっていく。

「ゴースト・フリート」は、彼らの持つ情報を小説にしたいという欲望を持つ防衛専門家によって書かれた。それは恐ろしいほど現実的なものなのである。

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