景気低迷との悪循環、根深い米債務ショック

拡大
縮小


企業が雇用と投資を抑制。住宅価格下落やガソリン高も響き、消費者は財布のひもを締める。景気低迷で税収が伸びず、財政が悪化。緊縮財政でさらに景気の足を引っ張るという悪循環に陥りつつある。

財政に余裕が消えた今、第3次量的緩和(QE3)への期待も高まる。が、ドル安や新興国インフレなどの副作用に批判も強い。政策当局はジレンマに陥っている。

欧州ではスペイン、イタリアの国債金利が危険水域に接近。中国ではインフレ警戒が続く。根っこは同じ。米国発金融バブル崩壊の後始末で、民間の巨大債務が政府・中央銀行に転嫁され、その弊害が世界中で噴出しているのだ。円相場も米欧次第。小手先の為替介入や金融緩和では転換不能と覚悟すべきだろう。

(本誌:中村 稔 =週刊東洋経済2011年8月13・20日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT