「義援金と東電の補償金で生活保護打ち切り」に異議、南相馬市の3世帯が福島県に不服審査請求、法廷闘争の可能性も

「義援金と東電の補償金で生活保護打ち切り」に異議、南相馬市の3世帯が福島県に不服審査請求、法廷闘争の可能性も

福島県南相馬市で多発している東日本大震災の義援金等受け取りを理由とした生活保護打ち切り問題はここに来て、新たな展開となりつつある。生活保護を打ち切られた3世帯がその措置に関する不服審査請求を福島県に提出したからだ。併せて、3世帯は南相馬市に対し、情報公開法に基づいて、自立更生計画の審査などに関する記録などの開示も求めた。

今回の問題は、政府による第1次義援金、東京電力による仮払補償金が収入認定された結果、生活保護基準を超える状況と判断されて生活保護打ち切りとなっているもの。一部被災地で発生している問題だが、南相馬市で突出して多発している。その実情については「東洋経済オンライン」で繰り返し既報した通りだ。

そもそも、自立更正計画の策定にあたって、義捐金、仮払補償金などの給付金から被災によって生じた費用を差し引いた残額だけを収入認定するという手続きを取ることが被災地における生活保護政策の基本とされている。今回の震災では、厚生労働省が5月2日付けの通知「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」において、被災世帯に配慮し、この方針をさらに柔軟、かつ、きめ細かく運営していくことを各自治体などに求めていた。

具体的には被保険者の自立更正計画の策定に関して、「被災者の被災状況や意向を十分に配慮し、一律・機械的な取扱いとならないように留意し」、同計画の費用項目ごとに積み上げず、「包括的に一定額を自立更正に充てられるものとして同計画に計上して差し支えない」という方針を伝えていた。

しかし、義捐金などを理由として生活保護が打ち切られるケースが発生している南相馬市などでは厚生労働省方針とは必ずしも合致しない対応がなされているという見方が強まっていた。そこで、日本弁護士連合会は6月15日付けで、この事態に対する強い懸念を示し、国への是正指導の徹底を求める会長声明を出していた。

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