不振のグッチ「日本だけが好調」その"カラクリ" ヴィトンも何度も値上げしても日本は伸びる

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中国の景気は確かに低迷しており、先行きの不安感も高まっている。だからこそ「価値が簡単に下がらないもの」「長く使える上質なもの」を、「最もお得なチャネルで」買うようになっている、というのは、中国の小売り関係者の多くが指摘している。

中国市場は「二極化」している

ブルームバーグの報道によると、ケリングのアルメル・プルーCFOは「中国市場は超高級品か手頃な製品のいずれかを求める二極化が進んでいる。ほぼ中間に位置する当社はこの二極化の恩恵を受けていない」と述べたという。

「二極化」は最近の中国マーケットを語る上での重要なキーワードだ。LVMHとエルメスが幾度にも及ぶ値上げでも失速せず、2024年も中国での出店を拡大していることからも、ラグジュアリーブランドの中でも、「超高級ブランド」と「それ以外」に分かれているということだろう。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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