東大生厳選「GW前に読みたい」読解力高める3冊 ちゃんと読んでも理解できない悩みを解決する

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④ 変化型

1つの物事が、結果的に形を変えていく文章の型。

例:新しい製品を発表するときに、昔の製品からどう変わったのかを説明している、など。

⑤  ギャップ型

1つの物事が、大きく変化し、その変化のギャップにフォーカスした文章の型。

例:シンデレラのようなサクセスストーリーなど。

⑥  葛藤型

2つの物事の間で揺れ動き、どちらを選べばいいか、結論が出ない文章の型。

例:天皇である父の妻である藤壺を愛してしまった主人公・光源氏が出てくる『源氏物語』。愛してはいけないのに愛してしまう、という葛藤が描かれている。

⑦  説話型

結論が語られておらず、読者が自分でその結論を考えなければならない文章の型。

例:「下人の行方は、誰も知らない」と余韻が残る『羅生門』など。

物語であれ、説明的な文章であれ、この7つの型のどれかの要素を含んでいる、というのです。確かに、どんな文章でもこの型のどれかに当てはまっています。

東大で出題されるような難しい文章でも、ちょっとした小説でも、古文の文章でも、漢文の文章でも、もっと言えば外国語の文章であっても、全部同じ型なのだというのがこの本で書かれている主張です。

読み方を身に付けて読書を楽しむ

今回の記事でも、「どうすれば読解力をアップさせることができるのでしょうか?」とまず述べたうえで、その答えが書かれています。先程のポイントの中だと、「質問型」ですね。

このように、文章の型を理解すれば、どんな結論に持っていきたいのか、ということがわかりやすくなり、読解力が身に付く、というわけです。今まで読んだ文章も含めて、文章を「型」で理解することができるようになるという点で、この本は読解力アップのための手段として有効なものだと感じます。

いかがでしょうか? どんな本を読んでも、「読み方」が悪いと、効果は半減してしまいます。ぜひ、読解力というテーマとうまく向き合っていただければと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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