加速する事務機再編"三つどもえ"の最終戦争 儲かる斜陽事業「温存」に向けた連携拡大は必至

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リコーと東芝テックは合弁設立を発表した当初から、合弁への他社の参加やエンジンの他社への供給を歓迎する姿勢を見せていたが、現時点で参加企業は現れていない。

今回の富士フイルムBIとコニカミノルタの業務提携では、調達力強化やコストダウンを見込む。富士フイルムBIが株式の過半を保有する前提で、2024年7~9月をメドに合弁会社設立を予定する。

コニカミノルタと富士フイルムBI連合は、リコー・東芝テック連合への対抗を意図したものではないとする。しかし両陣営とも門戸を開く姿勢で、合従連衡を促している状況だ。

3社陣営でシェア6割超を占める

今後の市場はどうなるのか。IDCのデータを基にした、2023年のA3複合機のシェアは下図の通り。

大きい順に並べるとキヤノン、リコー、コニカミノルタ、京セラ、富士フイルムBIだが、協業企業を合わせれば単純計算でリコー・東芝テック連合が23%、コニカミノルタ・富士フイルムBI連合22%となる。富士フイルムBIはアメリカ・ゼロックスをはじめOEMでの機器提供が多いため、実際のシェアはより大きくなる。

事務機ビジネスはオフィスなどに機器を設置し、機器の保守料金、印刷量に応じた機器使用料、トナーなど消耗品の料金を受けとる形式が一般的で、安定性が高いとされてきた。

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