日本経済 復活まで 竹森俊平著

日本経済 復活まで 竹森俊平著

原発事故に伴う放射性物質による汚染が問題になって以来、疑念を振り払うように食品の産地表示が詳細になっている。著者はそれに倣うかのように、東日本大震災の実感と提言の中で、すべてに自らの立場を明らかにしつつ論述する。

まず大震災を天災と人災に分けてとらえる。津波による天災の部分については、日本経済に対してむしろポジティブな影響が生まれる可能性さえあると見る。阪神・淡路大震災後の対応を「95年モデル」として、それを範とする。その一方で、原発事故による人災については、日本経済に複雑かつ深刻な影響を与え、それをどのように打ち消すかが課題、ととらえる。

真骨頂は後半の「第2部この国の未来」だ。電力不足下で熱い視線が注がれるのは輸出力の強化とあり、インフレ的でダイナミックな経済の復活に不可欠と判断する。日記風の前半「第1部震災発生」では、事態の推移の中に経済学者の確かな目が光る。

中央公論新社 1050円

  

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