線路を守る東鉄工業が「失敗できる」唯一の場所 実習線や「駅」、大型保線機械もある研修施設

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本社は明治神宮外苑に近いJR中央本線・信濃町駅に直結したビルにある。同社は東京ヤクルトスワローズのオフィシャルスポンサーで、神宮球場の外野フェンスに大きく書かれた社名が存在感を示している。

2022年4月、茨城県つくばみらい市に「東鉄総合研修センター」を本格稼働させた。最寄り駅はつくばエクスプレスの区間快速で秋葉原から約40分のみらい平。そこから徒歩約10分、紫峰ヶ丘の一角にある。紫峰ヶ丘は2024年の地価公示結果で上昇率が県内1位の地点がある住宅地で、周囲には真新しい一戸建てが建ち並ぶ。

研修センターは広さが約4万㎡。神宮球場のグラウンドが3つ入る面積の敷地に、教室や宿泊設備を備えた研修棟、土木・建築の実寸大模型を用意した実習棟のほか、屋外に駅のホームや踏切、トンネル、総延長約830mの4本の線路からなる実習線がある。「実習線を備えた研修施設としては、国内トップクラスの規模」(同社)という。全長40mのホームには「紫峰ヶ丘」の駅名標がある。

実習用の大型保線機械も

レールは外部とつながっていないが、道床バラスト(砕石)をつき固める「マルチプルタイタンパ」や道床を整える「バラストレギュレータ」、資材を運ぶ「軌道モーターカー」といった大型保線機械も実習用に配備。それらのメンテナンスを学ぶ検修庫もある。脱線などを想定した異常時復旧訓練もここで実施している。

東鉄工業 実習用マルタイ
道床バラストをつき固める実習用のマルチプルタイタンパ(記者撮影)
マルチプルタイタンパ 内部 オペレータ席
たくさんの計器類やスイッチに囲まれた実習用マルチプルタイタンパのオペレーター席(記者撮影)
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