NECとの相互補完で3年後シェア30%目指す--レノボグループCEO 楊元慶

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--NECの米沢事業所を継承することにより、当面は生産体制、研究開発体制ともに2本体制となって、NECブランドとレノボブランドの2本立てとなります。でも、研究・生産については、統合するほうが効率的ではありませんか。

短期的にはブランドの融合は考えていない。お互いの強みを生かしながら伸ばしていくことが重要だ。ただ、共通のプラットフォームを作り、統合できる部分は統合して効率化を進める。長期的にはデザインや製品ラインの統合なども行っていくことになるだろう。

生産体制については、まさに今朝も話し合っていたところだが、生産コストの削減だけを考えれば、統合という選択枝もある。だが、市場に近いところで、顧客のニーズをくみ上げ、迅速に対応できるというメリットは大きい。サプライチェーンや研究開発の中央管理は大切だが、ローカルのリソースとノウハウを生かすことが重要だと考える。

レノボの大和研究所は法人ツールのエキスパートであり、NECは消費者向けに強みがある。日本市場向けの開発も重要だ。相互の交流を積極的に図り、コラボレーションしていくことは考えている。そして、3年後には日本でのシェアを現在の25%から30%に引き上げる。

--この6月にはドイツ最大のPCメーカー、メディオンの買収も発表しました。04年のIBMのPC部門買収発表も世界を驚かせましたが、今年に入って、立て続けに2件大きな買収を行っています。買収によるグローバルな成長戦略を今後も継続しますか。

レノボには買収に関する哲学がある。量だけの拡大は考えない。相手の持っている力が、レノボの成長に役立つのか、が重要だ。

ドイツではレノボは法人向けに実績があるが、コンシューマー向けの力が弱い。自力での成長は難しいと判断した。メディオンはドイツ国内のコンシューマー向けPCで非常に大きな力を持っている。現時点ではドイツだけの展開だが、今後、欧州全土に展開するときに役立つはずだ。とはいえ、今後もレノボの戦略上、必要であり役に立つと判断できる話があれば、検討の余地はある。

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