米国債「格下げ」で一時波乱も--政治的対立で迷走する米国の債務上限引き上げ交渉の行方

米国で債務上限引き上げ期限の8月2日が迫るにつれ、金融市場の緊迫感が高まっている。現行の法律で決まっている国債発行枠14兆2940億ドルを引き上げないと、米国政府は国債をこれ以上発行できず、国債の利払いや償還を含めた予算執行が困難となり、デフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。
 
 債務上限引き上げの前提とされている今後10年間の財政赤字削減策を巡って、下院議会多数の共和党と上院議会多数の民主党・オバマ政権との対立がなかなか解けないためだ。26日の東京外国為替市場では、円相場が一時1ドル=77円台へ突入した。

「デフォルト懸念」とは言っても、欧州のギリシャなどの財政危機とは性質がまったく違う。ギリシャなどは財政赤字累増の結果、流通市場での国債利回りが急上昇し、マーケットでの国債発行が困難となったもの。いわば「市場からの締め出し」だ。

これに対して米国の場合は、自国の法律上の国債発行限度に達したことに伴う「テクニカルな危機」。債務残高の増加と債務上限の引き上げはこれまでも何度も繰り返されてきた(2000年以降だけでも10回)。この限度枠さえ広げれば、マーケットでの国債発行にほとんど支障はない。

“政争の具”と化した米財政健全化論議、大統領選まで対立が続く可能性も
 
 では、限度枠を広げる条件は何か。最も理想的なのは、8月2日の期限までに財政赤字削減策で両党の合意が成立することだ。債務上限引き上げ法案の議会通過の手続きを考えれば、できるだけ早期の合意が必要となる。

問題なのは、今回の債務上限引き上げ法案が来年11月の大統領選・議会選をにらみ、「政争の具」と化していることだ。

共和党側は昨年の中間選挙で台頭した保守系草の根運動「ティーパーティ(茶会党)」の勢いも駆って、「小さな政府」を表看板に大幅な歳出削減を通じた財政赤字削減を主張。一方のオバマ政権側は、歳出削減だけでは高齢者や子どもなど弱者へのしわ寄せが大きいとして、富裕層などへの増税による歳入増も合わせて主張している。

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