変貌するエイベックス、ヒット不在でも稼げる秘密

変貌するエイベックス、ヒット不在でも稼げる秘密

愛媛県での開催を皮切りに、7月末からエイベックスは毎年恒例の“お祭り期間”に入る。年に一度の野外フェスティバル「a−nation」だ。全国5都市7公演を1カ月かけて回り、計20万人を集める。1公演当たり約20ものアーティストが出演、9時間にわたってさまざまなパフォーマンスでステージを盛り上げる。

来場者の楽しみはライブだけではない。コミュニティエリアと呼ばれる物販や飲食のスペースは、さながらテーマパークだ。アーティストグッズのテントが数十メートルも立ち並び、限定商品が飛ぶように売れていく。

飲食でも特別メニューを多数用意。たとえば昨年は、浜崎あゆみがプロデュースしたカレーを、あゆマークの入ったスプーンを付けて1300円で販売。あゆがブログで紹介したお気に入りのカレーとあれば、ファンの財布のひもは自然と緩む。

協賛企業のセブン‐イレブン・ジャパンも出店し、系列アーティストがプロデュースした弁当や、CM出演する商品を大量に陳列する。膨大な数の関係者と巨額のおカネが行き交うa−nationは、一つのレコード会社が主催するイベントとしては国内最大規模。ライブやグッズ販売は貴重な収入源となっている。

エイベックス・グループ・ホールディングス(以下エイベックス)の2011年3月期の売上高のうち、CD販売の比率は3分の1。4年前の06年度は6割以上だったことを考えると、大激変だ。その分、音楽配信や映像、ライブやグッズ販売といった非CD分野が伸びている。昨年は人気マンガ『ワンピース』のDVDや、韓流グループ「東方神起」の旧譜や関連グッズが牽引した。

だが、竹内成和CFO(最高財務責任者)の表情は浮かない。「ここ数年で音楽事業はいちばんよくなかった」と振り返る。前期は、過去11年間で唯一ミリオンセラーを生み出せなかった。そこで今期は、韓流アーティストやAKB派生ユニットといった新人を次々とデビューさせて挽回にかかる。なりふり構わない様子からは、自社で所属アーティストを育て上げ、垂直統合モデルで稼ぐ“エイベックスらしさ”が薄れているようにも見える。


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