販売台数は減少「テスラ」に何が起きているのか ライバル各社は軒並み増やしているのに…

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テスラは販売価格が約2万5000ドルのEV開発に取り組んでいるが、量産は2026年以降になる見通しだ。それまでの間は、販売の大部分を引き続き「モデルY」と「モデル3」に頼ることになる。

同社は値下げを繰り返しているものの、そうした戦略は販売の十分なテコ入れに結びつかず利益を押し下げる結果になっているとアナリストらは指摘する。テスラは最近、アメリカと中国で一部の車種を若干値上げした。

投資会社フューチャー・ファンドのマネージングパートナー、ゲイリー・ブラックは、四半期販売台数の減少はテスラの経営者たちに「必要なのは本物の販売戦略で、値下げだけに頼ることはできないということ」を示していると「X」に投稿した。

暴走オーナーが招く顧客の離反

テスラが勢いを取り戻す方策について、マスクは明確な方針を示していない。その一方で、マスクの問題発言と右派の陰謀論を担ぐ言動は、EVを購入する可能性が最も高い「左寄り」のユーザーの多くを遠ざける要因となっている。

ロサンゼルス在住のラファエル・カッセンスは昨年、リースで乗っていたテスラ「モデルY」を手放し、BMWのEV「i4」のリースに切り替えた。乗り換えた理由の1つは、マスクの存在だったという。

「正直に言って、個人としての彼はまったく好きではない」。民主党員として登録しているものの自身を無党派と位置づけるカッセンスは、テスラのサービスはひどかったとも言い、こう付け加えた。「あの会社の姿勢は間違いなくオーナーの姿勢を反映している」。

(執筆:Jack Ewing記者、Neal E. Boudette記者)
(C)2024 The New York Times

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