CPM&BIクラウドフォーラム2015
なぜ今、財務管理・予算管理・業績管理にクラウドなのか?
その鍵は、リアルタイム集計とフレキシブルな分析・レポート作成、
そしてスピーディーなシステム実装
共催:Adaptive Insights、東洋経済新報社
協賛パートナー:アクセンチュア、OrangeOne、アウルズ、ジール、パブリックアイデンティティ
主催者講演
「戦略的財務管理の新スタイル~スピーディーな経営判断実現のために~」
クラウドベースのビジネス分析ソリューションで世界をリードするAdaptive Insightsは、85カ国で2,600社以上がそのサービスを採用し、世界で最も影響力のあるクラウドビジネスの1社と評価されている。競争優位に立つための意思決定における分析テクノロジーの重要性が高まるのを背景に、同社は2011年以降325%もの急成長を遂げた。米国本社上級副社長のキャロリー・ギアハート氏は「企業の財務役員は、情報と分析の融合によって数字だけでなく、今後の方向性を示せるようになっています」と指摘。情報分析を活用する企業の方が、大きく売上高や利益を伸ばしていると訴えた。
多くのCFOらが改善を望むのは、分析・意思決定、パフォーマンスモニタリング、収益性測定、情報共有の領域で、Adaptive Insightsはそこに注力し、GL(総勘定元帳)・ERP・CRMシステム等と連携したハイブリッド環境で、精度の高い計画・分析・予測を実現する。
たとえば、「全米の優れた病院」のランキング上位に選ばれた病院グループは、Adaptiveのソリューション導入で、誤差2~3%での業績予測を可能にしたという。また、ある巨大飲料メーカーは、数百にのぼる複雑な製品ポートフォリオにもかかわらず、業績情報をグローバルでリアルタイムに取得している。
リアルタイムで集計したKPI(重要業績評価指標)をダッシュボードに統合し一覧できるようにするテクノロジーは、経営幹部の洞察を支え、適切な意思決定につなげる。ギアハート氏は「事業の舵取りを支援し、成功への道を共に歩みたい」と呼びかけた。
また、日本法人代表の小岸秀樹氏は、表計算ソフトによる手作業の重い負担を解決するAdaptive Suiteの予算管理、データ可視化、管理連結、レポート作成、データ連携自動化の五つの機能を紹介。「日本でも、企業規模・業種も多様な約50社に採用されています」と実績をアピールした。
基調講演
「『見える化』から『つなぐ化』へ~新しい情報から示唆を得る新しい経営への変革~」
企業の設備投資への意欲が増している今、経営者の目はコスト削減からイノベーション創出へ向かっている。それに伴って、企業経営者がITに期待する役割も変わりつつある。アクセンチュアの工藤高嗣氏は「業務を効率化する『見える化』から、付加価値を生む『つなぐ化』へ、企業の力点がシフトしています」と考察する。変化の起点になるのが「SMACS」や「IoT」などのテクノロジーだ。
SMACSは、顧客接点の「SOCIAL」、情報量と利用者を増やす携帯端末の「MOBILITY」、高度な分析を可能にする「ANALYTICS」、システム容量などハードの制約を取り払う「CLOUD」、行動や状況のデータ取得の基になる「SENSOR」の各技術の頭文字。「IoT(モノのインターネット)」は、携帯デバイスのほか、機器や工場のセンサーからデータを集めて価値を生むトレンドを形成する。たとえば、日本の建設機械メーカーは、盗難対策やメンテナンス最適化の提案に使っていた、機器に搭載されているセンサーのデータから、世界中の建機の稼働状況を把握。現場での稼働率低下からいち早く景気減速の兆候をつかみ、過剰在庫を抑制するなど生産計画に役立てている。
ITを経営管理に有効活用するには、データ分析モデルを素早く構築できるように業務ユーザーが使いやすいシステムであることや、つねに自動アップデートされ、最新技術のメリットを享受しやすいクラウドベースのシステムであることもカギになる。工藤氏は「経営情報が質、量ともに充実することで、経営管理部門が積極的にインサイトを引き出して、マネジメントに報告することも増えるでしょう。これは従来の経験や勘から得るインサイトとは異なるものになるはず。マネジメント側も、新しい考えを柔軟に受け入れて判断する能力が必要になると思います」と、情報分析がもたらす経営管理の変化への対応を促した。