年収800万・慶應卒の彼が婚活で苦戦→再婚の顛末 つらい離婚の末、「別格の幸せ」を手にできたわけ

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結婚後は志保さんの希望で不妊治療を受けて子どもを授かった。費用は博之さんも出すつもりだったが、そのために貯金していたという志保さんが全額負担。住まいは博之さんが借りている45平米の賃貸マンションに志保さんが引っ越して来てくれた。

「家賃や光熱費、コープの宅配などは私の銀行口座から引き落としされていますが、妻も月末に一定金額を振り込んでくれています」

辛い体験をしてきたからこそ得た幸せ

離婚と婚活で貯金がほとんどなくなったという博之さん。稼ぐ力がある志保さんとの生活に深い安心感を覚えているようだ。ただし、結婚・出産を経ても「全然怒らない」という志保さんの朗らかさには、経験を重ねて成熟した博之さんの立ち振る舞いも影響していると筆者は思う。

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「病院勤務の妻は1年間の育休中ですが、私も2カ月半は育休を取得して家事と育児に専念しました。職場復帰した今でも、泣き叫ぶ子どもの世話で大変な妻の負担を少しでも減らすようにがんばっているつもりです。仕事優先で週末限定の家事・育児だった前の結婚の私とは大いに違います」

DV被害からの離婚や謎の理由での婚約解消といった辛い体験をしてきた博之さん。だからこそ志保さんに対して尊敬と感謝を持ち、思いやりのある行動ができているのだろう。幸福は他人とは比べられないけれど、過去の自分と比較して現状の有難みを実感することはできる。博之さんの前妻や前の婚約相手も、今ごろはそれぞれの幸せを噛み締めているかもしれない。

(取材協力:結婚相談所Bridalチューリップ)

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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