フレッシュネス知られざる「アボカド10年」の真価 今年で10年目を迎えた、春恒例の限定メニュー

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流行りの「味変」が可能なため、SNSの話題にもなりやすく、「次はあのスパイスを使ってみたい」などのリピート動機にもなる。この強みを、なぜ今まで生かさなかったのかと不思議に思える。

ランチ以外の需要を獲得

コンセプトである「バーガーカフェチェーン」の訴求も強化し始めた。コーヒーのリニューアルを行い、ドリンクの種類を拡大。154店舗中、104店舗と現在は限られているが、今後全店で展開する予定だそうだ。チュロスなど、スイーツの提供も開始した。

カフェメニューはアイドルタイム対策ともなる。16時以降、ビールに合わせた限定メニューを提供する「ヨルカフェ」と合わせて、ランチ以外の需要を獲得していく狙いだ。実際、バーガー以外の売り上げも伸びてきているという。

クラフトイチゴレモネードソーダ
店内で漬け込んだレモネードも、フレッシュネスの目玉商品。写真は4月16日まで発売中のクラフトいちごレモネードソーダ(490円)。はちみつ、いちごソースに漬け込んだいちごは甘すぎず、酸っぱすぎない絶妙な味。ホットもおすすめ(筆者撮影)

SNSを中心に、宣伝も以前より強化している。フォロワー数は、ツイッター(現X)を始めた2014年から緩やかに増加してきたものの、2020年から大きく伸びて、現在は23万となっている。期間限定商品の発売やフェアと結びつけた、商品が半額になる抽選キャンペーンが功を奏しているそうだ。

店舗戦略にも力を入れる。過去増減はあったものの、ほぼ一定してきたというが、2024年は新網島店(横浜市)、郡山南店(郡山市)の2店をオープン。全国展開に向け、出店を強化していくそうだ。

以上のように、アボカドメニューをはじめ、差別化ポイントを多く有しているにもかかわらず、消費者にうまく伝わっていなかったフレッシュネスバーガー。訴求力を強め、万人にとって魅力的なブランドに成長していけるのか。しばらくはお手並み拝見だ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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