【産業天気図・ホテル/旅行】2006年度は景気を反映し回復基調。専門特化がカギ

ホテル・旅行業界の2006年度は、景気を反映して回復基調を続けるだろう。日本旅行業協会(JATA)によると、01年の米国同時多発テロ、03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の反動から、04年度の取扱額は前期比10.4%増。続く05年の4月~12月累計は2.3%増。06年度もトレンド自体は変わらない見込みだが、鳥インフルエンザの影響から、中国・アジア方面は苦戦を強いられそうな気配だ。
 旅行は最大手のJTB<非上場>が06年4月に持ち株会社体制に移行、地域別に分社化して専門特化を打ち出す。海外旅行ではエイチ・アイ・エス<9603.東証>とのシェア争いが注目点。また、シニア層向けでは、メディアや会員誌を利用する阪急交通社<非上場>、クラブツーリズム<非上場>が堅調に推移しそう。さらに、旅慣れた層を狙うユーラシア旅行社<9376.ジャスダック>、60歳以上の熟年リピーター層を顧客に抱えるニッコウトラベル<9373.東証>は着実な成長が見込める。国内旅行では、近畿日本ツーリスト<9726.東証>が提携による規模拡大で商品仕入れを強化し、企画旅行やイベント・会議の取り扱い増も図って生き残りをかける。
 楽天<4755.ジャスダック>を筆頭とするネット代理店との競争は、国内旅行から海外旅行の取り扱いが焦点となりそう。
 一方、05年に外資系高級ホテルのコンラッド東京、マンダリンオリエンタル東京が開業。国内ホテルは「今のところ目立った影響はない」と口をそろえるが、明確なコンセプトを持つホテルが生き残る時代に突入したといえる。帝国ホテル<9708.東証>はロイヤルウエディング効果で婚礼部門は好調だが、愛知万博の特需剥落で宿泊は苦戦しそうだ。
【山谷明良記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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