社会資本の老朽化は想定内の緩やかな震災--『朽ちるインフラ』を書いた根本祐二氏(東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻主任教授)に聞く

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──近隣の自治体との連携も。

広域連携を勧める。複数の自治体で一つの施設を共同利用する。公立病院の多くが老朽化しているが、30万人程度の人口がないと良好な運営はできない。迷惑施設といわれる火葬場や廃棄物処理場、し尿処理場なども、共同利用に向いている。

国全体では、2兆円の更新投資を含めて公共投資が名目GDPベースで20兆円になっている。それに未執行の更新投資6兆円をどう上積みさせるか。生産性を3割上げ、20兆円で26兆円分の仕事をする知恵を出していきたいものだ。

(聞き手・本誌:塚田紀史 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2011年7月23日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

ねもと・ゆうじ
1954年生まれ。東京大学経済学部卒業、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。地域開発部、米ブルッキングス研究所客員研究員、設備投資研究所主任研究員、地域企画部長などを経て、2006年より現職。東洋大学PPP研究センター長を兼務。内閣府、国土交通省、東京都、横浜市などで公職多数。

『朽ちるインフラ』 日本経済新聞出版社 2100円 289ページ


  
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