ダメな営業が絶対わかっていない一流の心得 トコトン売ってきたカリスマに聞いてみた

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教える側の意識とは?

常見:ただ、今の課長や先輩社員にそれが教えられるのかという問題もあります。

北澤:まずは、意識の問題です。「一緒に学ぶ」姿勢でよいと思います。もし相手に自分より足りないところがあるなら、それをできるまで手を携えてあげるべきですし、自分が足りないと思ったなら、自分自身はそれを今からでも学べばいいんです。

常見:今の時代を生きる若者だからこそ、そこを生き抜くための知識や感性もあるかもしれませんね。

北澤:持っているのですよ。若い人材の育成に悩む人には、ぜひそこは意識してほしい。彼らと一緒に学ぶ機会を作るべきです。

人間的魅力は「現場」で磨け

常見:前回の座談会では、「人間的魅力」が営業マンにとって大事な能力なのではないかと話題になりました。私は上に立つ人間ほど、それが必要とされると思うのですが、北澤さんはどうお考えですか?

北澤:とても大事だと思います。マネジメント力と人間的魅力の2つが管理職には求められるでしょう。人間的魅力は社内外問わず、信頼関係を構築するためには必須です。

常見:ただ人間的魅力となると、正解はひとつじゃありませんし、私も、どうすれば磨けるのか日々模索しています。

北澤:読書や勉強会から学べることもあるのですが、それを元に自分がどう実践し、その実践から何を学んだかが重要です。若い時は、まず知識を得て、それを知識で終わらせずに人が経験しないことを思い切って経験してみることが人間的魅力につながると思います。

常見:ただ、世の営業マンは多忙です。いざ人間的魅力を磨きたいと思っても、なかなかそういった経験ができる場に足を運べない人も多いと思うんですね。

北澤:そういった方は、激しい実践の場から学ぶのもひとつでしょう。イエスやノーと、商談や営業スタイルにはっきりとした正解はありません。激しい現場にある葛藤経験やそこから得られる実践知は変え難い経験となるでしょうし、その決断に意思を込めれば自然と人間的魅力にもつながるのではないでしょうか。

常見:確かにそう思います。大きな会社の社長や役員レベルの方でも、今でも営業同行や商談に参加される方もいますからね。

北澤:自分なりの意図があるんでしょうね。同じ交渉であっても、営業マンと社長はそれぞれ違う役割があります。上の立場の人ほど自分で考えて決断しなければいけませんから、そこで実践知を磨こうとしているのかもしれません。

どんな立場になっても、現場、実践から学べることは多くあるでしょう。そして、若い人には、できるだけ早く自分の仕事の専門家になってほしいと言いたいです。それぐらい頑張ってほしいですね。

常見:私も新人営業マン時代に「名刺をもらった瞬間からお前はプロなんだ。その自覚を持て」と教えられました。

北澤:若いときはあまり理解できないかもしれませんが、ひとつの仕事を何年も続け、専門家として認められれば、社内外問わずお呼びがかかるはずなんです。自分のやりたい仕事や目標とするポジションを逃さないためには、やはりまずは、専門家を目指す必要はあります。

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