凄い発想できる人が実践「掛け合わせ」の驚く技術 回数を重ねていくことでセンスが磨かれていく

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まず、大前提として、優れたアイデアの多くは魔法のようにどこからともなく現れるのではなく、既存のサービスやプロダクトの掛け合わせによって成り立っています。

ペンと消しゴムを掛け合わせたフリクション、ゲームと散歩を掛け合わせたポケモンGO、コンビニとジムを掛け合わせたチョコザップ……など、その例は枚挙にいとまがありません。

課題解決としてのアイデアを考える

クリエイティブジャンプを生み出しているアイデアの多くも〔要素×要素〕の掛け合わせでできていますが、ここで重要なのは、私たちは単に面白いアイデアを考えたいのではなく、「事業に立ちはだかる壁を打破する」課題解決としてのアイデアを考えなくてはならないということです。

それゆえ、2つ(もしくはそれ以上)ある要素をスロットのように自由に組み合わせるのではなく、片方を必ず自身の持っているアセットで固定する必要があります。つまり、クリエイティブジャンプを生み出すアイデアは〔定数×変数〕という方程式で表現できることになります。

ここでいう〔定数〕とは、自身が持っているアセット、つまり取り組んでいる事業(サービスやプロダクト)のこと。私の場合は「ホテル」、Sleepy Tofuの場合は「マットレス」が該当しますね。

それに対して、〔変数〕とは掛け合わせてみるもののことを指します。アイデアは、この〔変数〕に何が放り込まれるかで決まります。

例えば、Sleepy Tofuのケースでは、〔変数〕に「食事」を入れて、〔マットレス×食事=寝ながら食事ができる〕というアイデアを切り口にして、「寝転がれる台湾料理店」という企画を導いています。つまり、アイデアを発想するということは、なにを〔変数〕の箱に放り込んだら思わぬ化学反応が起きるかを考えること、と同義であるともいえるでしょう。

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