プロゴルフは、高額賞金を引き下げるべきだ 豪華ではない大会でもファンが集まる理由

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ゴルフファンは、トーナメントを観戦したいという意識がある。けれども、行こうと行動に起こすだけの動機づけが乏しい。フェイスブックに書かれていた女性の意見では、

「この前の中日クラウンズのときも、アテストが終わってクラブハウスに向かうときに、ギャラリーの方たちがサインや握手を求めても無視している選手がいました。それもたばこを持ちながら歩いていて、握手を求めても『たばこ持っているから』と言った選手がいたけど、右手がふさがっていても左手で握手できるじゃん、と思いました。これは全員じゃないですし、一生懸命に笑顔でファンサービスしてくれるプロだっていますよ」

とコメントがあった。

シニア選手だって、決して服装や態度が優等生であるわけではない。でもどこか安心感や親近感を感じさせるものがある。

賞金額を下げるべきかもしれない

賞金額が高いから、大会のフィールドが豪華で派手で、スタンドもたくさんあるから、ギャラリーが来るというイベントとしての成熟度とギャラリー数が、反比例している。グランド・ゴールドの大会では、スタンドもなければ、スコア速報ボードも少ない。不自由である。しかしレッスン会、試打会、即売会やB級グルメを楽しめる。

あえて皮肉を言うならば、洗練されたフィールドでは、洗練された選手の戦いが見たいのだろう。もう一度賞金額も下げ、レベルダウンしたフィールドで戦わせる必要があるのかもしれない。

週刊東洋経済 6月27日号

三田村 昌鳳 ゴルフジャーナリスト

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みたむら しょうほう

1949年生まれ。大学卒業後、『週刊アサヒゴルフ』副編集長を経て、77年にスポーツ編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。日本ゴルフ協会(JGA)オフィシャルライター、日本プロゴルフ協会(JPGA)理事。逗子・法勝寺の住職も務める。

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