私が、大嫌いな「女性活用」にこだわるワケ

「女性が競争を好まない」のは先天的か?

(写真:北の魔女 / PIXTA)
昨年、『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)を発表し、ワーキングマザー界に鮮烈にデビューした中野円佳氏。連載7回目の今回は、筆者が実はあまり好きではない”女性活用”という言葉をあえて使う理由、今までの”男女共同参画”ではダメな理由ついてです。
※1回目記事:育休世代のカリスマが、会社を"降りた"ワケ 
※前回記事:会社と女性が「囚人のジレンマ」に陥るワケ

 

こんにちは。女性活用ジャーナリスト/研究者の中野円佳です。実は私は、「女性活用」という言葉はいかにも政府や企業が労働力として女性を「使う」という感じで好きではありません。自著『育休世代のジレンマ』では女性が企業などで長く活躍できないのは、男女の性別の問題ではなく、家族のケア責任があるかないかという物理的な問題だと主張しています。

「女性が競争を好まない」のは先天的なものなのでしょうか?

そもそも、自分自身、妊娠するまで「女性向けセミナー」みたいなものにはアレルギー反応があり、「個人としての実力で戦えばいいのだから、そんなふうに特別扱いしてもらう必要はない」と思っていました。「女であることをネタにした仕事には就きたくない」とすら考えていました。

ただ、さまざまな取材をする中で、やっぱり今の日本社会では「女性」というカテゴリにまつわる課題をまずはほどいていかないといけないと感じています。なので、今は、政府や企業が進めようとしている施策を時に批判的に、それ自体を取材や研究の対象にしたいという思いも含めて、「女性活用ジャーナリスト」を名乗っています。

女性とは、マイノリティのひとつである

前回記事で取り上げたように、統計的差別や無意識の偏見などで女性側には不利益があること、男女平等を信じてきても、妊娠や出産を契機にどうしてもぶつかってしまう壁があること――。女性という最大のマイノリティ問題を考えることが、ほかのマイノリティの問題の理解につながっていく面もあると思っています。

では「女性」というカテゴリにまつわる課題とは何なのでしょうか。前回記事では、「なぜ女性を引き上げることが必要なのか」について、組織側の要因を追ってきました。では、組織側の要因がすべて排除されたら、男女は同じように能力を身に付け、同じように昇進していくのでしょうか? 男女の仕事や昇進に対する意識は、どうして、どのように違うのでしょうか。

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