「10分の細切れ集中」で自分を差別化する方法 10分で集中が切れても仕事に支障はない

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これだけ見ると、やはり現代の我々は以前に比べて「集中力」を失ってしまっているように思います。かつてのような集中力を取り戻すことができれば、仕事もプライベートも、よほどはかどるようになるかもしれません。

ただ、私が申しあげたいのは別のことです。それは、「現代人は集中力がなくなったのではない。そもそも、集中できなくて当然なのだ」ということです。

その一番の理由は「スマホ」です。スマホを持っていない当時の人たちは、演説がちょっと中だるみしても、他にやることがないから聞き続けるしかありません。でも、今なら携帯をさっと取り出して新しいニュースがないかを見てみたり、SNSに「この演説つまらない」などと書き込むことも可能。スキマ時間を利用してゲームをやることさえ可能です。

そして、演説中だろうがお構いなく、チャットやメール、着信はどんどん入ってきます。このような中で集中して何かをし続けることは、極めて困難です。

現代人は集中できない環境に置かれている

そう、以前は「他にやることがない」から、集中して話を聞くことができた。現代人は昔の人に比べて集中力が落ちたのではなく、そもそも集中できない環境に置かれているから集中できない、ということなのです。

仕事においては、スマホに加えて「パソコン」の普及もまた、私たちの集中力を奪っています。パソコンがない時代には、職場のデスクでおおっぴらにサボるのは気が引けたものです。しかし、今では仕事中であってもパソコンで最新ニュースをチェックすることもできるし、こっそりゲームをすることすら可能です。

加えて、昨今のコロナ禍です。在宅勤務が増え、監視の目がなくなったことで、ますます「なんでもできる」状況になりました。リモート会議中にニュースサイトを見たりするようなことはもちろん、「少しだけ」と思って仕事中にゲームをやっていたらいつの間にか数時間が経っていた、などという人もいることでしょう。

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