京葉線の幕張豊砂以外も「イオン前駅」増殖の背景 「ショッピングモールは車で行く」の常識を覆す

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この構造は、駅の陸側にある車両基地(京葉車両センター)と関係がある。京葉線はもともと貨物線として計画され、車両基地がある場所は貨物駅になる予定だった。貨物駅への出入り線を通すために、上り線を高架としたもので、現在も車両基地の出入り線が通っている。

駅舎は海側のみで、路線バスが発着する駅前広場に隣接してイオンモールの建屋があり、入口まで屋根付きの通路を用意している。

幕張豊砂駅の駅舎
幕張豊砂駅の駅舎(筆者撮影)

とはいえ駐車場は7300台分もあり、平日は6時間、土日祝日は4時間まで無料ということに加え、周辺にはコストコホールセールなどもあるので、現在も渋滞が発生しがちとのことだ。

駅の存在感アピール

開業1周年を迎える2024年3月16日、17日には、駅前広場、イオンモール、コストコなどで、記念イベントを開催するという。地域全体で駅を盛り上げていこうという姿勢が伝わってくるし、ここでもう一度、駅の存在をアピールしたいという気持ちが伝わってくる。

ところで幕張豊砂駅が開業した2023年3月18日には、同じJR東日本でもうひとつ新駅が生まれている。田沢湖線の盛岡―大釜間に設けられた前潟駅だ。

こちらもイオンモール盛岡に隣接した場所に駅があり、設置費用は盛岡市が負担したものの、イオンが盛岡市に企業版ふるさと納税をする形で寄付をしている。

前潟駅
JR田沢湖線に2023年3月誕生した前潟駅(編集部撮影)
前潟駅
前潟駅の目の前にイオンモール盛岡(編集部撮影)
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