「女性が辞めない会社」は育休後に賞与を出す 年収の15%を「特別ボーナス」として支給

✎ 1〜 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 43 ✎ 最新
拡大
縮小
ワークスアプリケーションズでは家族が会社を知る機会を大切にしており、クリスマスパーティーには家族同伴で参加できる。キッズルームで遊ぶ子どもたちも楽しそうだ

育休を経て職場復帰した暁には「特別ボーナス」が支給され、妊娠判明時から最長13年もの間、休業や時短勤務を柔軟に認めてくれる会社がある。

「どうせ女性社員を多く抱える大手企業の話では?」と思うだろうか。実は、この制度を作ったのは、今年で創業19年となるワークスアプリケーションズ。大手企業向けのパッケージソフトウェアメーカーである。

現在の社員数は約2800人、そのうち女性は4割弱おり、今やメガベンチャーといわれる規模となっている。だが、「ワークスミルククラブ」というこの出産・育児支援制度が始まった2005年の社員数は、まだ約500人だった。そのうち女性も2割程度と少なかった当時、同社はなぜ女性の復帰制度を手厚く整えたのだろうか。

自ら理想の制度を作りなさい! 

女性の新しい"はたらきかた"についての詳細は、週刊東洋経済臨時増刊「ワークアゲイン」(好評発売中)をご覧下さい

きっかけは、2004年にさかのぼる。同社には、経営陣に対して全社員が毎週提出する業務報告書がある。愚痴を含め、何を書いてもかまわないらしい。ある日、この報告書に既婚女性からこんな声が寄せられた。

「出産・育児などを考えると、このまま働き続けられるのか不安です」

当時はまだママ社員がおらず、出産・育児支援制度そのものが存在しなかった。この報告書を受け、牧野正幸代表はこう言ったという。

「自分たちで理想の制度を考えろ!」

このひと声により、有志10人が集まり、本業のかたわら、制度作りが始まった。メンバーは、既婚・子持ちの男性1名を除き、全員女性。まだ子どもはいなかった。

次ページ「これで本当に戻ってきたいと思うの?」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT