個人情報5ドルで売買、「ダークウェブ」驚きの実態 サイバー犯罪のインフラにもなるネットワーク

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企業から盗んだ顧客のアカウント情報、カード情報などは、数千から数万、数十万件の単位で販売されている。

ダークウェブ
クレジットカード情報は1件5ドルから売られている(写真:筆者提供)

漏出させたデータをそのまま販売するものから、複数の漏洩事件のデータをまとめたもの、その中から高値がつくカード番号や暗証番号(CVV)を抽出したもの、SSN(Social Security Number:日本ではマイナンバーに相当)などの国民IDと紐づいたものなど多種多様である。

価格はカード番号の名前など基本的なものは1件あたり5ドルくらいから売られている。暗証番号や住所、電話番号、職業、年収などとセットになると数十ドルから100ドル以上の値がつくこともある。

サイバー犯罪のインフラとしてのダークウェブ

ログインIDとパスワードの組み合わせだけを、何十万件とリスト化したものもある。こうしたリストは、総当たり攻撃、リスト攻撃と呼ばれる攻撃に利用できる。

偽造パスポート
偽造パスポートの販売例(写真:筆者提供)

ファイル交換サイトでは、このような闇サイトで成立した大量のカード上などのやりとりに使われることがある。ハッカー同士の情報交換、データ交換の場としても利用されており、専門家がアンダーグラウンドのファイル交換サイトをチェックすると、漏洩した企業データやアカウントデータベースを発見できることもある。

ランサムウェアの中には、データを暗号化するだけでなく、コピーを公開する、アンダーグラウンドにばらまくという脅迫を行うものがある(暴露型ランサムウェア)。このとき盗んだデータの公開先として、アンダーグラウンドのECサイトやファイル交換サイトが利用される。

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