勉強をしない中学生が変わる「3つのステップ」 反抗期は対応を変えてほしいというメッセージ

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さて、ここからが本論です。

筆者は教育に携わって早35年が経ちましたが、当初からあることに気づきました。それは、「説教に原理原則を絡めてはいけない」ということでした。原理原則とは「〇〇すれば△△になる」という「当たり前のこと」を言います。大切な原理原則は日常の会話の中で何気なく伝えるから素直に受け取ることができます。しかし、説教で使ってしまうと、子どもは「怒られている、叱られている」という印象しか残りません。説教は単なる大人の自己満足にすぎません。

では、具体的にどうすれば子どもは自主的に行動していくでしょうか。

自己満足の説教はやめて、行動変容を促す

次の3つのステップを順に進めてください。行動変容していきます。

(1)【共感】

「なぜやる気が起こらないか」を一緒に考えてください。子どもと同じ気持ちになるために一緒に考えるという段階を作ります。中学生にもなって親がそんなことをしなくてはいけないのかと思われるかもしれませんが、おそらく小学校段階で、自分で行動するというルーティンが形成されていなかったと思われるため、中1の段階でそれを作っていきます。まだ遅くはありません。一緒に考えることで子どもは親への信頼感も高まります。この始めの共感ステップは極めて重要です。

具体的には、紙に書き出します。「やる気が起こらない」には必ず理由がありますが、子ども自身もよくわかっていません。ですから対話型で進めながら紙に書き出していきます。

そこで出てくる理由は大抵、次の3つに集約されます。

① 勉強しても点数が伸びないからやりたくない
② ゲームや動画の誘惑が強すぎて勉強に向かえない
③ 勉強以外に夢中になれる分野があり、そちらに全力を使ってしまっているため、勉強へのモチベーションが出てこない

特に①が最も大きい理由です。つまり、希望がなく、絶望状態にあることが最大の理由です。

(2)【教える】

次の段階は、教える段階です。教える内容は「計画の作り方」「勉強法」です。この2つを知らずに、勉強をやらせることは無謀です。なぜなら、やり方がわからないと、適当にやってしまい、やっても伸びないため、嫌気が差してしまうからです。

また何からやっていいかわからないため、勉強を始めるスタートも遅くなります。

次ページ押し付けるのではなく「一緒に」
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