親の介護は40代で考えないと追い込まれる 介護は結局「おカネ次第」、いくらかかる?

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今、高齢者住宅でサービス付き高齢者住宅(サ高住)が注目されています。バリアフリー仕様で「見守りサービス」「生活相談サービス」を備えた賃貸住宅です。

マンションタイプの賃貸住宅なので敷金としての家賃が2カ月分程度必要です。家賃は地域や共用施設のグレードによって数万円〜数十万円とかなり幅があります。そのほか管理費、食事代などで月額10万円〜25万円。介護サービスは別途契約が必要で介護費用の1割負担もかかります。

手厚い介護は受けられず、基本的に認知症の対応はありません。家賃、管理費、食事代、介護費用あわせるとかなり費用がかかりそうです。

介護のおカネで大事なのは、まず親がどういう介護を希望しているのかを知ると共に、親がその介護を受けるうえで十分な資金力を持っているかどうかを把握することです。

親も子供もおカネがなかったらどうするか

特別養護老人ホームの費用は、月額15万円程度で済むので、待機者が多く、2〜3年待ち、数百人待ちのところもめずらしくありません。

有料老人ホームに入るには、設備の内容にもよりますが、特別養護老人ホームに入るのに比べると、はるかに高いおカネがかかります。それなのに、親の貯蓄がほとんどないという状況だったら、その施設に入ることを諦めてもらうか、もしくは子供が負担する形になります。

では、親だけでなく子供にもおカネがなかったらどうなるのか。これは基本的に自宅で介護をするしかなくなるわけですが、この場合、経済的な負担は軽く済んでも、子供の精神的な負担は非常に重くなります。

高齢者は、赤ちゃんと同じようなケアが必要になる場合があります。認知症になればなおのことです。一人ではご飯が食べられなくなるし、歩くにしても支えが必要になります。やがておむつを使うことにもなるかもしれません。

赤ちゃんと異なるのは、高齢者の場合、動いてもらうのにもひと苦労ですし、時として、憎まれ口も叩きます。介護をすることの精神的な疲労は、時としてかなりのものになることがあります。

東洋経済オンラインの読者は恐らく30代、40代がメインでしょうから、親の介護問題がなかなか自分ごとのように思えない人も多いと思います。

でも、よく考えてみて下さい。今、大半の家庭、特に大都市圏で生活している人たちの多くは、核家族です。

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