「X2/iX2」新型のBMWは何がどう新しいのか? メルセデスに先駆けヒットしたSACの進化系

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ポルトガルはリスボン近郊のリゾート、カスカイスで催されたジャーナリスト向け試乗会で見た実車は、「先代よりスポーティ」というBMWの説明どおり、大径(21インチ径)タイヤがボディ四隅で踏ん張っているような力強さを感じさせた。

「Xシリーズの末弟だが、とりわけエモーショナルで、若い世代のライフスタイルにアピールするモデル」というのが、新型X2のコンセプト。38万台が販売された従来型を「さらに上回る販売が期待される」とBMW。

バッテリーを床下に搭載するためボディが分厚くなっている(写真:BMW)
バッテリーを床下に搭載するためボディが分厚くなっている(写真:BMW)

新型「5シリーズ」のような新意匠のフロントグリルを備え、夜間は輪郭だけがLEDで白く隈取られる。それにより、ミラー内に映る後方のクルマが、すぐに新世代のBMWとわかり、ややコンパクトなサイズでも、大きな存在感を放つ。

ラインナップは、大きく2つ。内燃機関(ICE)とピュアEVだ。その中で今回、乗ったのは、日本に導入されるガソリンの「X2 M35i xDrive」と、ピュアEVの「iX2 xDrive30」の2台。(日本では他に「X2 xDrive 20i」も用意)。

基本プラットフォームは、2023年2月に日本でも発売された「X1」および「iX1」と共用。

プラットフォームを共有する姉妹車、X1(写真:BMW)
プラットフォームを共有する姉妹車、X1(写真:BMW)

ただし「X2はよりスポーティなキャラクターのため、ダンパーを硬めにしたりステアリングをよりクイックにしたりと、専用のチューニングをしています」と、プロジェクトリーダーのメールダッド・ババイ氏は述べる。

「スポーツ」モードは気持ちよく曲がる!

ポルトガル・カスカイス周辺は、大きな波が打ち寄せる浜辺があるためサーフィンのメッカとして知られている一方、海の背後には山岳地帯が広がる。路面状況はいまひとつだけれど、屈曲路がえんえんと続くので、ドライブが楽しい。近くには高速道路もある。

カスカイスの沿岸を走らせるとハンドリングの良さに驚かされた(写真:BMW)
カスカイスの沿岸を走らせるとハンドリングの良さに驚かされた(写真:BMW)

X2とiX2は、操舵感覚が“けっこう似ている”と感じた。特に「マイモード(ドライブモード)」で「スポーツ」を選ぶと、くいくいとおもしろいように曲がる印象だ。足まわりはかつてのようにガチガチでなく、大人っぽいというか、コーナリング中に車体がロールするようになったが、バランスがとれていて“いい感じ”である。

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