準大手ゼネコンのフジタは業績順調、上場廃止後のリストラ策も奏功

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 利益水準は、上場している同規模の売上高のゼネコンと比べると高さが際立つ。

会社計画で比べると、東急建設の12年3月期連結売上高は2400億円(前期比2・0%減)、同営業利益33億円(前期比56・5%減)。熊谷組は同2500億円(同4・0%増)、同営業利益35億円(13・2%減)、西松建設は同売上高2660億円(同3・2%増)、同営業利益33億円(同4%増)。前田建設工業は同売上高3070億円(同5・2%増)、同営業利益44億円(前期比129・4%増)。三井住友建設は同売上高3180億円(同6・5%増)、営業利益50億円(0・8%減)。

各社の営業利益率を高い順から並べると、(1)フジタ2.2%、(2)三井住友1・57%、(3)前田1・43%、(4)熊谷1・4%、(5)東急1・37%、(6)西松1・24%-となる。
 
 あらためて同社の利益率が高い理由を見ると、従業員1人当たりの受注高がゼネコン業界の目安である1倍を超えて、約1・2倍と高いことが挙がる。ITを駆使した支店や建設現場の業務効率化、総務人事、経理財務など組織統合におる間接人員圧縮、開発提案型の提案活動に人材を傾斜、などが要因に挙がる。

このように、02年に会社分割で新会社が建設事業を継承した存続の危機から今日まで約10年間にわたって、上場を維持する同業他社に比べて抜本的に組織スリム化に傾注し、企業体質を強化したことが差になっていると見られる。
(古庄 英一=東洋経済オンライン)

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